当社創業の地である墨田区向島のほど近くにそびえ立つ東京スカイツリー。地上450メートルにある天望回廊から見渡す首都圏一帯の大パノラマは、一度でも経験された方ならその雄大さに心を奪われたことでしょう。私は冬場の空気が澄んだ夕暮れ時の展望台が大好きです。都心方面のあかね空と、千葉方面の夜景のコントラストが同時に楽しめるからです。

　夕暮れに浮かび上がる舞浜エリアの巨大リゾート施設、お台場方面の近未来的な建造物、隅田川下流に林立するタワーマンション、東京駅周辺の巨大オフィスビル群と傍らに鎮座する皇居の緑、遠くには六本木や新宿、池袋の高層ビル群も見渡せます。視界を近くに戻せば銀座、日本橋、両国や上野、浅草といった幼少のころから慣れ親しんだ変わらぬ風景に安らぎを感じ、展望台の直下には先祖代々居を構える下町向島の街並みがひっそりと佇みます。

　東京上空から見渡す大パノラマを構成する一つ一つの建築物、その多くを私達金子架設は130有余年にわたって手がけてまいりました。とび工事を通じて、「最先端の超高層ビルをつくる」、「工事現場内外の安全をまもる」、「神社仏閣といった文化財をのこす」これら全てが金子架設の仕事です。そして、その仕事の担い手・主役である「優秀な職人達を、つくり（育て）、まもり（幸せにし）、のこす（次世代につなげる）」ことが私達の使命です。

　私は、生まれ育った街、東京が大好きです。そして生まれた国、日本を愛しています。
　金子架設はこれからも職人達とともに生き、微力ではございますが、日本の未来をつくり、現在（いま）をまもり、伝統をのこしてまいります。